AIを使うと、人は「おバカ」になるのか? (2026/8/23)
AIの進化は目を見張るばかり、しかも手軽に使えるようになった。嬉しいことにAIの無料版も簡単に手に入る1/。そのお陰で、学生は宿題に手こずることなく、チャッチャとそれを片付けることが出来るようになった。大学生が手を抜いて、課題のレポートをAIに書かせるという記事も目にする。
そこで、AI任せで勉強しないと、どんな結果を招くかという疑問が出て来る。
これについて、エコノミスト誌で面白い分析を見つけた2/。ストックホルム大学と香港大学が中国の12〜18歳の学生、つまり日本でいえば中学生と高校生を対象に行った研究結果は、然もありなんというものである。
宿題の成績はAIを使うことで、使わなかった場合に比べて18%向上した。一方、宿題に使う時間はAIを使うことで、64分かけていたものが45分に縮まった。つまり、AIのお陰で時間をかけずに宿題が片付き、しかも良い点を取ったと言うことである。
ところが試験結果では、結果が様変わりした(因みに試験でAIは使用禁止)。図1を見れば明らかなように、AIを使わずに宿題をした場合の試験の平均点を100とすると、宿題でAIを使って平均点より高い点を取った者の試験結果は反転して悪くなる。これは宿題でAIの答えを丸写ししただけなので、本番の試験で自分の頭で問題を解こうにも、解けなかったということである。これに反して、AIを使わない学生は宿題の点数と比例して、試験の点数も高くなる。それは当たり前。宿題を通して理解度が上がっているので、試験でも点が取れるということである。
であれば、学校でAIの使用を禁止してしまったらと思いそうであるが、そうはならない。
宿題にかけた時間に対して試験の成績がどうであったかを見ると、AIを使う、使わないに係わらず、勉強に時間をかけるほど試験成績は良くなる。図2を見て面白いのは、AIを使う以前には、勉強時間が60分以下であっても、試験成績は平均近辺にあるが、AIを使うことで勉強時間を短くした者はてきめんに試験成績が下がっている。勉強をサボるためにAIを使うと、試験成績の低下が如実に表れる。
しかし図をよく見ると、AIを使い、かつ勉強に時間をかけている者は、AIを使わない者より若干良い試験成績を取っている。とりわけ、勉強時間が75分を超えると、AIを使うと試験成績が急上昇している。恐らくこれは、AIを勉強の道具、例えば家庭教師の如く使って、自分の理解を高めているからだろう。
要は勉強に限らず、自分の頭を使わないでAIの言いなりになっていると、おバカになるという事である。一方、自分の能力を向上させるためにAIを使えば、その効果は確実に得られる。
1/
ChatGPTであれば、現在の無料版はGPT-5.6 Luna。
2/
The
Economist Aug 18th 2026